2016年7月29日金曜日

夏場の運動を安全に楽しく

運動を継続することは大事ですが、夏の運動は頑張りすぎると体を壊すこともあります。 
運動をする前には必ず体調のチェックをし、少しでも不安があるときは運動を控えましょう。
健康のために始めた運動が命取りになる場合もあるのです。


■運動前と運動中のセルフチェック

・運動前に下痢や熱はないか?睡眠不足ではないか?風邪ぎみではないか?疲労感はないか?など自分の体に聞いてみましょう。

・血圧が高めの人は運動によりさらに高くなる可能性があるので、運動前に必ずチェックをしましょう。

・運動中に冷や汗が出てきたり、急に胸が苦しくなったり、めまいがするなどの不快症状がおきたら、すぐに運動を中止しましょう。


■熱中症に注意

暑いと汗をかきますが、汗によって水分や塩分が失われると脱水状態になります。
この状態の時に水分の補給をおこなわないと、熱中症になってしまいます。



熱中症は水分不足だけでなく、睡眠不足や栄養不足が原因でなる場合もあります。
夏は特に夜ふかしをする機会が多い上、さっぱりしたものを食べる傾向があるので、気をつけましょう。

熱中症の症状は、軽度の場合はめまいや筋肉痛、大量の発汗などです。
症状が軽いと判断したら涼しいところで衣服をゆるめ、少しづつ水分を補給し、様子を見ます。

おう吐や頭痛、虚脱感、倦怠感などの症状があれば、病院に行きましょう。
意識障害や、けいれん、手足の運動障害、高体温などの症状があれば、すぐに救急車を呼びましょう。

<熱中症を予防する経口補水液の作り方>

水1ℓ、砂糖大さじ3杯、塩小さじ1/3杯、レモンしぼり汁(ポッカレモン)大さじ2杯を混ぜます。



■ウオーミングアップとクールダウンについて

夏は特に運動前ウォーミングアップの習慣をつけましょう。
ジョギングやウォーキングをする前に、ふだんあまり動かさない股関節や太もも、膝関節やふくらはぎなど下半身のストレッチをしておくと、ねんざや肉離れ、けがなどの予防になります。

運動後にはクールダウンの習慣をつけましょう。
軽いストレッチをおこない、疲れた筋肉をいたわるようにします。
翌日の筋肉痛予防のためにも運動後のクールダウンは必要です。


■安全に楽しく運動するために

夏の屋外での運動や、蒸し暑い室内での運動は、脱水症や熱中症を引き起こす場合があります。十分に水分を取るようにしましょう。


また、スポーツウエアやスポーツシューズにも心配りが必要です。
吸湿性が良く体が自由に動かせるウエアやひざや股関節などに配慮されたパンツ、足に負担をかけないスポーツシューズを選びましょう。





夏のジョギングやウォーキングを安全に楽しく継続するためには、しっかりと体調管理をおこない、無理をしないことが大切です。

2016年7月26日火曜日

ダイエットの大敵は睡眠不足

夏は、ほとんどの人が睡眠不足気味のようです。
寝苦しい夜が続いたり、夜遅くまでスマホやパソコンをさわっていると、慢性的な睡眠不足になりがちです。
睡眠時間が足りないと成長ホルモンの分泌が順調におこなわれず、肥満症状が現れます。


■近年増えている睡眠不足症候群について

睡眠不足症候群では、日中に慢性的なだるさや、疲労感、無気力感、集中力の低下、体の冷えや便秘、肥満など様々な症状に悩まされます。
これらの原因が睡眠不足だとほとんどの人が気づいていません。

睡眠不足が続くと基礎体温が下がり免疫力が低下するので、体調が悪くなるだけでなく、病気にかかりやすくなります。
睡眠障害が続くと、うつ病の引き金になってしまうこともあります。


■夏太りの原因は睡眠不足かも

睡眠をきちんと取ることのメリットは色々ありますが、ぐっすりと眠ると一晩で300kcalが消費されます。
眠れば眠るほどカロリーが消費されるわけではありませんが、良質な睡眠とダイエットは大いに関係があります。

睡眠不足の状態が続くと血液中にインスリンが残り、脂肪がつきやすくなります。

すると肥満になるだけでなく、糖尿病になる可能性もでてきます。
睡眠不足はダイエットの大敵どころか、糖尿病や高脂血症、高血圧などの生活習慣病の原因にもなってしまうのです。

睡眠不足が続くと、食欲をコントロールするホルモンの分泌異常がおこります。
睡眠不足は食欲を抑えるホルモンを減らし、食欲を増進させるホルモンを増やします。

普段と同じ生活をしているのに最近太ったと感じるなら、睡眠不足のせいかもしれません


■睡眠時間量より質

年齢によって必要な睡眠時間は違ってきますが、睡眠時間が7時間の人が健康で長生きできると言われています。
しかし、たとえ睡眠時間が短くても本人に熟睡した実感があり、すっきり目覚められれば、さほど睡眠時間にこだわる必要もないようです。

以前は午後10時から深夜2時までの間に成長ホルモンが分泌されるので、この時間に眠るのが理想的だとと言われていましたが、何時に寝ても眠りについてからの3時間に成長ホルモンが分泌されることが分かりました。
実際、夜の10時に眠ることなど、なにかと忙しい現代人にとっては無理な話なので、夜型人間にとっては朗報かもしれません。


■質の良い睡眠のために

睡眠はレム睡眠とノンレム睡眠が90分ごとの周期で交互にくり返されます。
レム睡眠とは、体は眠っているのに脳は活動している状態です。
ノンレム睡眠とは、深い眠りで体も脳も休んでおり、筋肉の修復や免疫機能、神経回路の調整がおこなわれます。

このリズムにそって眠ることで、自律神経が整い、代謝量もアップし、痩せやすい体になります。

また、90分ごとに眠りの周期が変わるので、90の倍数で目覚めると、心地よく目覚めることができます。
眠りについて4時間半、6時間、7時間半に起きれば、短時間の睡眠でも良質な睡眠がとれるので、目覚まし時計をその時間に設定しておくとよいでいょう。


睡眠不足になりがちな夏の間は、良質な睡眠をとれるよういつもより意識してみてはいかがでしょうか。



2016年7月4日月曜日

【管理栄養士コラム】こんなに暑いのに?女性に多い夏の冷え性

7月に入り、夏本番の暑さが続いています。暑い日にこそ気を付けてもらいたいのが女性に多い『夏の冷え性』。




こんなに暑いのに冷え性だなんて、ちょっと意外な気がしますよね。女性は男性に比べて筋肉量が少なく、脂肪が多い体質です。筋肉は食べ物からのエネルギーを燃焼することによって体温を維持する働きを持っているのですが、筋肉量が少ない女性は体温を維持しにくく、冷え性になりやすいのです。

オフィスや電車の中では寒いくらいに冷房がきいています。さらに暑いからといって冷たい物ばかり食べていると、あっという間に体は冷えてしまうのです。

体が冷えると女性の大敵である肩こりやむくみ、生理不順などの原因にもなりかねません。

夏の冷え性におすすめなのは、『体を温める食材をとること』です。

食べ物には体を温めるものと冷やすものがあります。
体を温めるおすすめの食材は、にんにく、ニラ、玉ねぎ、生姜、根菜類、唐辛子などです。
これに対して、体を冷やす食材は、きゅうり、トマト、レタス、砂糖などがあります。
調理方法もサラダや冷やし麺などの冷たい料理よりも、炒め物や煮物などの温かい料理の方がより体を温めてくれますよ。

冷たい飲み物やコーヒーなどカフェインの多い飲み物は、体を冷やしやすくなります。糖分の多い甘いジュースも血糖値を急激に上下させ、体温を下げやすいので飲み過ぎには注意が必要です。

冷たい飲み物ばかりではなく、温かい飲み物や汁物を飲んで体を冷やし過ぎないようにしましょうね。

今回は夏の冷え性対策におすすめの玉ねぎ、生姜、ニラを使った簡単スープのレシピをご紹介します。メイン食材のキムチには香辛料が入っているので、冷え性にはバッチリの食材ですよ。

【冷え性におすすめ!キムチスープ】

〈材料:2人分〉

・玉ねぎ     1/4個
・生姜      1片
・ニラ      少々
・水       600cc
・鶏ガラスープの素 大さじ2
・キムチ     100g
・醤油      少々
・塩       少々
・卵       1個  




〈作り方〉

1 玉ねぎは薄くスライスし、生姜は千切り、ニラはみじん切りにしておく。

2 鍋に水、鶏ガラスープの素を入れて、沸騰したらとキムチ・玉ねぎ・生姜を加える。

3 弱火で5分煮込み、醤油・塩で味を整える。

4 火を消し、溶いた卵を回し入れて鍋に蓋をする。

5 卵がフワっと固まったら器に盛り、ニラをちらしてできあがり。

このスープはこのまま飲んでいただいてもいいですし、茹でたそうめんを入れてもおいしくいただけます。ぜひ作ってみてくださいね。

西田悠



管理栄養士&フードコーディネーター。学生時代から「絶対に食に関わる仕事以外はしない!」と心に決めるほど食の世界を愛している。食べることはもちろん、料理を作ったり、調理方法を科学的に追及したり、食に対する興味はとまりません。

現在、社員食堂で勤務するかたわら、過去の料理教室アシスタント、食品メーカー、病院勤務の経験を生かし、コラム記事執筆を行っている。